テラ豚丼騒動というものがある。
テラ豚丼とはすき家のメガ牛丼という商品に対抗して、吉野家で豚丼をありえないほどてんこ盛りに盛るという、とってもくだらない企画。
だけれども、すき家に対抗してやるぞという稚気も見えて、馬鹿馬鹿しいながらもネタとして僕はありだと思った。
しかし、その模様を撮影した動画が炎上騒ぎを起こした。
理由は衛生上の問題や門外不出の内部事情を流出させたとのこと。
最初は馬鹿だなぁと傍観していた人々が一挙に動画掲載者を槍玉にあげた。
食べ物を無駄にするな。
常識を疑う。
などもっともな理由を口々に叫んでいたけれども、僕には叩くのに丁度いいから正義の名のもとに乗りで叩いているようにしか見えなかった。
自分たちは正しいのだから反撃される恐れがない、正しいことをしているのだから気持ちがいい。
そんな彼らの無節操さを傍観するに、ちょっと気色が悪かった。
確かに悪いことをした人は叩かなくてはならない。
でも罪の重さによって叩きの程度もかえるべきで今回の騒動はやり過ぎだ。
個人のでしゃばりを極力制するのが日本人的思考、引いては民主主義の根幹を成すのだが、こんな芽もでていない状態でも叩かれるのであれば、この状況を見た控え目で有能な人材は、自分も叩かれるのを恐れなにも出来なくなってしまうだろう。
悪乗りし過ぎるのも問題だが、まったく悪乗りもできない社会は味気ない。
悪乗りを掣肘する人が悪乗りし過ぎてどうする?